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2008-07-21 21:44 | カテゴリ:乳癌
クリスマスの後、
周りが俄かに慌しくなった。
私は、依然として背骨に放射線治療を受けていたが、
病室で仲良くなったkさんとkちゃんは、
後はリハビリに通うだけだと、退院準備に入っている。
お互いに本名や住所、アドレスなんかを交換したり、
何と言っても、「同じ釜の飯を食った仲間」だ。
名残はつきない。
kさんは、生検の為に11月に入院したので、
都合2ヶ月ここで過ごしたそうだ。
ご家族が迎えに来て、帰る時は、
嬉しいけれど、この病院や仲間と別れることはやはり寂しく、
感無量のようだった。
      ~~~~~~~
12月28日で病院も休みに入った。
私は、その年最後の放射線治療を受けた。
そして、私以外の全員が(私の記憶が正しければ)退院して行った。
       ~~~~~~~~~
実は、私も一時帰宅を許されていた。
けれど、うちには母はいない、帰っても父一人だ。
私は、おせち料理が食べたかった。
元旦は、普通のご飯は嫌だった。
私が一時帰宅しても、背中が痛いから料理は出来ない。
多分、ただ寝たり起きたりするだけ。
父は、料理は出来ないし、しない。
男が料理などとんでもないと思っている。
そんな実家に帰っても、おせち料理は食べられない。
お雑煮だって絶対に作らないだろう。
どう考えても、ロクな物は食べられない。
賢明なワタシは、病院に残ることを選んだ。
       ~~~~~~~
整形外科の病棟に残ったのは、10人ちょっとだっただろうか。
大晦日は、消灯時間になっても電気は消されなかった。
皆が紅白歌合戦を見ていたらしい。
夜の検温の記録に来た看護婦さんが、
どこの部屋でも紅白やってるから、
続きを見られていいわねって。
あの晩は何時に寝たのだろうか?
行く年来る年までは起きていられなかった記憶がある。
平成14年は、こうして過ぎ去って行った。
       ~~~~~~~~
元旦は、やはりいつものように早く起こされた。
夕べ遅かったから、まだ眠い。
さて、私が期待していた元旦の食事、
当ったり~!!!
お雑煮と、かまぼことか黒豆とか、お頭付きの小さめの海老もあったかな、
おせち料理らしい献立だった。
お雑煮の隣に、ご飯もあった。
お餅もご飯もなんて、私はそんなに食べられへんわ。
でも、とにかくお正月らしいご馳走を食べられて、
私はとっても満足だった。
      ~~~~~~~
二日に、家族に内緒で外出許可を取った。
自宅でゆっくりお風呂に入りたかったのだ。
入浴の許可は出ていたし、
お風呂には入っていた。
ただ、誰が入ったのか分からない湯船に浸かるのはためらいがあった。
だから、いつもささっと身体を洗うだけにしていた。
外出許可を取れるようになったら、うちでお風呂に入ろう、
と密かに決めていた。
       ~~~~~~~~~
夕食までには帰ると申請して、ひと月ぶりに病院の外へ出た。
もうその頃には車椅子を使わずに歩けるようになってはいたが、
電車を乗り継いで、一人で帰るのはまだ無理だった。
贅沢をして、タクシーで帰宅した。
       ~~~~~~~~~
不思議なことに、当たり前なんだけど、
一ヶ月ぶりの自宅は、入院の時と全く変わっていなかった。
私が変わっただけだ。
ベッドに仰向けになって少し休んだ。
それから、お風呂にお湯をためる。
ひと月ぶりの湯船は、気持ちがいいなんていうのを越えていた。
おまけに、汚い話だが、垢がおそろしく溜まっていた。
何気に腕を触ると垢が浮いて来る。
身体のどこを触っても、垢が浮いて来る。
なるべくどこも触らないようにして、湯船で身体をふやかして、
それから石鹸をつけて身体を洗った。
汚れているから、石鹸をたっぷりつけても泡があまり出ない。
二度洗って、それから湯船に浸かる。
試しに足をこすってみると、今度は白っぽい垢が浮いて来る。
このお湯は諦めよう。
ナイロンのタオルで、背中以外の部分を湯船の仲でこすった。
有り得ない位大量の垢が浮いて来た。
一度、全部お湯を捨てて、もう一度溜めた。
時間は掛かったが、仕方がない。
その間に、もう一度身体を洗って、それから湯船に入った。
      ~~~~~~~~
これで、やっと身も心もさっぱりした。
本当に気持ちが良かった。
やっと、新年を迎えられた、と思った。
     ~~~~~~~
遅めのお昼を、家族は知らない秘密のお店で食べた。
病気のことも入院のことも知らせてあったから、
私の顔を見て、驚いたがとっても喜んでくれた。
      ~~~~~~~
病院には少し早めに帰った。
手術をして、入院生活中の外出は
やはり疲れた。
でも、同時に外出出来るという自信も少しついた。
小さな冒険だった。
    ~~~~
つづく

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